Home Position 1/4
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ここか。値段かなり高そ~
私は暗闇にひかるマンションを見上げていた。さっきのひと、結構いいとこ住んでるんだ。へぇ~
綺麗で明るいエントランスをくぐると、郵便受けがずらっと並んでいた。反対側にテレビカメラとロック解除用の装置。すぐ横には自動ドア。セキュリティつきか~
えーっと、そうだ。長崎さんって言ってたよね確か。部屋は‥‥ ここを押せばいいのか。612、っと。
呼び出し音が2回鳴って、すぐに男の声で答えがあった。
「はい」
「お昼にお電話いただいた、片岡です」
「どうぞ」
同時に、ロックが解除されたことを機械的な女性の声が告げる。
音も無く開閉するエレベーターを降り、廊下を歩く。612号室。白いパネルには「長崎 真二」と書かれていた。
部屋をノックすると、ゆっくりとドアが開く。
私を見ながら男が言葉を発した。
「こんにちわ」
音量の小さな声だった。
多分、私より少し歳上、30ぐらい。短めできちんと分け目のついた髪型。風呂上りなのか、ブルーのショートパンツにTシャツ、その上に白いヨットパーカーをはおっていた。趣味は悪くない。
「長崎さん、ですよね? 初めまして、片岡理沙です。あの、今回はありがとうございました。拾っていただいたパスケースには、結構個人的に大切なものも入っていて。もし出てこなかったらどうしようかと思ってました。」
「そうでしたか‥‥ あ、今とってきますから、ちょっと待っててください」
いそいそと歩み去る男。ドアを開けたままなのも変なので、中に入りドアを閉める。いちおう形ばかりのお礼に、お菓子も持ってきていた。
始まりは、朝、会社でメイクを直しているときに、偶然、バッグの中にあるべきパスケースが無いことに気づいたところから。昼休みに駅まで行って確認しなきゃ、と思ってたところに、私のパスケースを拾ったという男から電話があった。
ついてた。
聞いたら、その人の自宅は私の帰り道に近く。夕方に携帯に一度電話入れて私が行く、という段取りにした。
そんな今日の一日を思い出しながら、男の消えた方向を見ていると、急に視界がぼやけ始めた。
うわ! なんだこれ! やばいよ、へんだよ、
そう思う間もなく、私は立っていることさえできなくなっていた。残されたかすかな意識の中で、倒れることなく真下に座り込もうと努力する。
お尻に床の固い感触があって、無事に着地ができてホッとした瞬間、私の意識はプツンと途切れた‥‥‥
「 ‥さん‥‥ だいじょう‥‥‥‥ 聞こ‥‥ かりますか?‥‥」
途切れ途切れの言葉が私の頭の中に響いている。
なんて‥ 言ってるの?
意味不明の言葉しかない暗闇のなかで、どんどん不安がふくらんでゆく。気づいて、閉じていた目を開ける。
誰かの顔。こちらを見てる。焦点が合うにつれて、それが男の人だとわかる。えっと、なんて言ったっけ、この人‥‥
そして徐々に思い出す。そうだ。落としたパスケースを返して貰うためにここに。んで、突然に意識がなくなって、それで。
「大丈夫ですか? 片岡さん?」
そう、この人は、‥‥長崎さんだ。
「あっ、はい、なんとか」
「よかった」
そう言いながら、玄関に座り込んでいた私を引きずり上げて、廊下に座らせてくれる。まだ頭はいくぶんボーッとしてるけど、徐々に思考力が戻ってきつつあった。
そばに立つその人を、あらためて見上げた。でも今はなぜか、彼は戸惑いの表情を浮かべている。すごく‥ 困ってる?
「なに‥ か?」
「え?」
「だからあの、なんかとっても」
「‥‥」
「服が」
私の問いかけに答えるように、彼は短くそう言った。
「え?」
「いや、その服」
彼はわたしの体を指差す。
つられるようにその先、自分の体にゆっくりと視線をめぐらせる。驚いたことに、私はここに訪れたときとは全然違う服を着ていた。それも‥
間違いなくこれは、ベビードール。極端に生地の薄い、肌が透けて見えるような‥‥
気づいた。私は、下着さえつけてない! あわてて両腕で胸を覆う。
「どうして!?」
思わず大声で叫んでしまった。
彼を見る。なにか‥ 私にしたの?
問い詰めるような私の視線に答えるように、口元から言葉が吐き出される。
「こっちが‥ 聞きたいよ」
今日はクリーム色のスーツを着ていた。間違えようも無い。そして私は、イリュージョンを得意とするマジシャンでも、早変りの歌舞伎役者でもない。あたりまえのことだけど。
あるいは彼に悪意があったと考えるにしても、あんな短い間に、なにかが出来たとも思えない。
わけがわからなくなって、もう一度見上げる。今は、体をすこし斜めにしていた。私と正対するのを避けるように。
違和感。微妙に先ほどの困惑とはちがうもの。
気づいた。彼のショートパンツの中央部分が、変な形に盛り上がっている。
そう‥ このひとは今‥ 興奮しているんだ。原因は私‥‥ なんだろう。
視線の方向に気づいたのか、完全に私に背を向けて彼が言う。
「あ、誤解しないで。こ、これは単純な条件反射で、そういうカッコでいられたら、やっぱりいちおう男だから、どうしても。決して、あなたを襲おうとかそんなこと思ってないから、神にかけて誓う! 全然その気ないから信用して欲しい」
一瞬の間。空白の時。
次に起こした自分の行動と、同時に体の中から沸き起こった感情は、両方とも私の思いもしなかったものだった。
廊下をはいずって、彼の正面にまわりこんで、彼の腰を両手でつかみ、盛り上がったその中心部分に頬をよせていた。
素肌の両足に胸を押し付けるようにしながら。すでに乳首が両方とも固く立っているのは気づいていた。
「いとしい」
そうとしか言いようの無い気持ちが私の心を満たしている。
この人がいとしい。そして、目の前で固くなっているそのおちんちんも、同じようにいとしい。
自分を女として充分に認めてくれていることの証は、いまも力強く私の頬を押し返している。脈動をくりかえしながら。
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「かっ、片岡さん、そんなこと」
私の肩がおさえられ、引き離そうとする力が加えられた。
私はそのまま上を見上げる。
「させて? ね?」
ためらいは何も無かった。とてもあたりまえのことのように、私は目でその希望を伝えた。
返事を待つことなく、彼のショートパンツを下ろす。あきらめたのか、あるいは誘惑に負けてしまったのか、認めたのか、私の肩に掛かっていた手が力をなくす。
腿までおろしたところで、強烈な勢いで飛び出したおちんちんが私の顔を打った。さすがに驚く。こういう経験はしたことが無かった。私が唯一ベッドインした異性、前カレとのセックスでも。
「あ、ごめん」
その言葉に答えることもなく、そのまま目の前のものを口に含んだ。
うめき声が聞こえる。私は、この瞬間を最大限楽しみたくて、最初に唇と舌でおちんちんの形をなぞった。
先端から膨らむ曲線。突然くびれているところ。私の唇と舌は、もう何年も繰り返しこうしていたかのように、意識して動かそうとしなくても、なめらかに這いまわっている。
「か、か、か、片岡さん!」
私はおちんちんから唇を離し、上を見あげ、ひとことだけ言った。
「私じゃ、だめ?」
「いえ、そんなことはない‥ 全然‥ いいんだけど」
全てを聞く前に再びくわえ、こんどは前後に大きく動かす。強く、弱く。早く、遅く。
横からくわえてキスするように吸い込んで。おちんちんの下の袋にもキスして。
あらためて正面からくわえて、その感触自体を楽しんだ。唇を強めに締めて、激しく前後に動かしてみた。
そんな動きを繰り返しているうちに、両手でつかんでいたカレの太ももが急にこわばった。
「あ! あ! もう!」
その声と共に、口の中のおちんちんは大きく膨れ上がって、突然にのどの奥になにかが勢い良く飛んできた。
ピクンピクンと動きながら、何度もくりかえし。
咳き込みそうになりながら、なんとかこらえた。
彼の精液。少し苦かった。生あたたかさで口の中がいっぱいになった。
「フーッ」
頭の上で長い吐息が聞こえた。
その満足げな響きに私は妙にうれしくなって、口の中にたまっていたものを一気に飲み込んだ。
「ゴクッ」
静かな部屋の中に、自分でも驚いてしまうほど大きな音がした。
突然、彼の手が伸びてきて両脇に差し込まれ、強い力で引き上げられる。すばやく両方の肩紐が外され、唯一身にまとっていたものは足元に落ちた。私の体を覆うものは、もうなにもない。
彼に抱きしめられ。キスをされた。長い、とても長くて甘いキスだった。
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